2008年8月2日土曜日

なぜ月曜日は、頭が働かないのか



脳の機能やメカニズムをわかりやすく説明している。扁桃体と大脳皮質の関係。シナプスの発火の仕方。体の器官と脳との関係。

茂木健一郎が監訳したマインズ・アイの著者、イアン・ロバートソン著

--memo--

私たちを作りあげているもの、たとえば記憶や希望、苦痛、喜び、悪意、倫理感などといったものすべて、変化し続ける脳の神経回路網に織り込まれている。脳には1千億もの神経細胞がある。
二つの細胞をつなぐ結合点はシナプスと呼ばれる。

細胞が発火するかどうかは、その細胞に出された司令の合計(進めという司令から、止まれという指令を惹いた結果)によって決まる。

細胞は同時に発火を繰り返すと、チームを組みやすくなる。(ヘッブの法則)

大脳皮質には、体のあらゆる部分が地図のようにマッピングされている。1日の仕事が終わるころには、使用した部位の脳領域が大きくなっている。そして2日も休むとその領域は小さくなる。仕事は長い時間をかけて私たちの脳を形成しているばかりか、日々脳に影響を与えている。

イメージトレーニング。こうした精神的な練習が、実際の力を強化できる。
風邪をひいてジョギングできないときに、イメージの中で近所を走ってみる。トレーニングの効果をあげるためには、実際に走っている自分を感じることが大切。

危機に直面した時に、あなたを守ってくれるのは大脳皮質のずっと奥にある、アーモンドの形をした「扁桃体」。この古い脳が、瞬時に危険を察知して支配権をにぎり、とっさに逃げさせる。危険につながるような場合は、扁桃体が瞬時に機能する。ここで注意しなければいけないのは、扁桃体はが入力された情報をかなり粗雑な方法で解釈してしまうこと。扁桃体はが人間の本能と深く結びついており、ご存じのとおり本能的な感覚はなかなか無視できない。

感情をつかさどる古い脳「扁桃体」の中では、「理屈」はごく限られた力しかもたない。理屈に頼り過ぎれば、危険な時にとっさの判断が間に合わず、トラックにひかれてバラバラになってしまったりする。その意味で私たちの生活は原始的な「情動」と「衝動」が一方にあり、後に発達した大脳皮質による「思考」と「訓戒」とが他方にあり、この両者の絶え間ない駆け引きで成立しているともいえる。

大脳皮質、その中でも特に前頭葉は、情動的な反応をいくらかは制御でき、前頭葉と扁桃体をつなぐ神経線維により、興奮を抑えることができる。また、驚異を与えるものが複雑で発見しにくい場合でも、大脳皮質なら突き止めることができる。


感情が理性を支配しやすいのは、扁桃体から大脳へ向かう結合が多いため
扁桃体から大脳皮質へ向かう結合は、その逆よりもずっと多いといわれている。洗練された大脳皮質が、荒々しい扁桃体をある程度支配することはあるものの、感情が高次の脳中枢におよぼす影響がずっと大きいのはこのため。しかし、自制心感情をコントロールする力は、学習することによって高められる。

ストレスは、記憶に関係する「海馬」という領域の活動を低下させる。

抽象的な問題を解決する能力=流動性知性
経験と熟練をようする問題を解決する能力=結晶性知性
年配者は、流動性知能の低下がみられるようになる。

刺激という栄養を与えないと、シナプスは減少し委縮してしまう。

「気分」が脳を変える
ひとには気分があり、感情の浮き沈みによって、楽観的で楽しい時もあれば、その翌日には無気力で悲観的になったりもする。人間はずっとおなじ気分で生きていくことはできない生き物で、脳には多少なりとも変化が必要なのだ。気分の変化をもたらすものにはホルモンや空腹、疲労といった生理的は働きのほか、私たちの神経回路網の発火パターンに刻み込まれる日常の出来事がある。脳の活動の変化によって気分がかわることもあるが、その逆も起こる。脳が私たちの気分を左右するのと同じくらい、私たちもまた、脳に影響を与えている。


脳は心をつくり、人生にもっとも深く関係する臓器である。

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